Artist Voice Vol.6
世界観を1つの言葉で表すと
「ほっとできる心地よさ」です。
アディス。
心地よさとか、豊かさとか、静けさみたいなものを表現したいです。
息抜きできる世界観を突き詰めて行きたい。
単純な奥行きではなくて、人そのものの奥行きというか、色で表現できると思うんです。
画家/Painterとして活躍されているアディスさん。個展やグループ展に精力的に描かれています。
有名なコレクターにもその作品は所蔵されています。
アディス、絵描きのルーツ
自分に戻れるのでバランスをとれるのだなと思います。
画家になろうと思ったきっかけは?
社会人になってからはデザインの仕事に就いていました。
それはそれで楽しかったのですが、デザインは商業的なものなので、クライアントありきでその依頼にそって作るものですよね。
デザインの世界は他の方が介入することによって自分だけでは生み出せないものが表現されることが楽しいです。
ただやはり、制作活動とは違っていて商業的なデザインだけでは自分の精神的バランスが取りずらいなとも思っています。
私が「アート」というのは自分の哲学とかそういうものありきで作るもので「自分の考える世界」を基にして、自分自身ってこういうことを考えているんだと絵を描きながら発見できるので、その世界観を突き詰めていきたいなと思い今も描き続けています。
制作活動することによって自分の心というか、ルーツ的なもの原点を描くことによって自分自身を知ることができる、自分に戻れるのでバランスがとれるのだなと思います。
創作活動を始めようと思った原点がそこですね。
今回のメゾンダール・ギンザアワード参加の理由を教えてください
東京で展示する機会というのがなく前回もとてもよい経験になりました。
また、銀座で展示できるというのも大きな理由の1つです。関西とはまた違う見方をして頂けるのではないかと思っています。
心地よさとか、豊かさとか、静けさみたいなものを表現したいです。
アディスさんの持っている独特な世界観についておきかせください。
社会人になってからです。今の世界観を持つようになったのは。
日本はストレスフルな社会だと思います。
息抜きできるところがあまりないと感じていまして、自分の絵は社会と逆行する世界を描いていきたいと思い、だんだん今の絵に変化していきました。
制作で大切にしてること コンセプト、モチーフ、伝えたいことはなんでしょうか。
もともとはそうは思わず絵を描いていました。
周りの見てくださった方がほっとすると癒されるという言う意見が多くて、自分の絵はそういうのが原点、周りの人からの言葉で築いてこれたと思っています。
作家さんによってそれぞれテーマがあると思います。
私は考えて付け足すものではなくて、削ぎ落として見つけるものなのかなと思います。
削ぎ落とした中から、芯が出てくる的な。
心地よさとか、豊かさとか、静けさみたいなものを表現したいです。息抜きできる世界観を突き詰めて行きたい。
今のこの世界にはあったら楽しいだろうな、と思うものを自分なりに見つけて描いています。どこかにはあると思います。
あるとしたらどの辺ですかね、都会にはなさそうな気がします。
都会でも静けさを演出しているリラクゼーションの場所などでしょうか。
そういうリラックスできる空間にマッチする絵を描きたいと思っています。
制作の時には、落ち着ける空間でリラックスするようなヒーリング系の音楽を聴きながら描いています。音がないと描きにくいかもしれないです。
絵を描くのは完全に自分自身に向かっておこなうことなので、「自分自身に戻れる」ということが大きいです。
よく女性を描かれていますがなぜでしょうか。
なぜかというと私は平和な世界観を描きたいからです。
心地よい絵にしたいので、自然と対象が女性にむくのかなと思います。
女性のフォルムはなだらかじゃないですか、カチカチしたフォルムはあまり描きたくないです。
以前からよく描いている「水着の絵」は私の中で開放感を表すモチーフです。
息抜き出来るような世界観を描きたくて、バカンスに行って水着で水に入って泳いだりとか、今の世界から抜け出すために選んでいるのかなとも感じます。
どこかに行きたいんでしょうね笑
仕事は好きですが、やはりストレスがあるのだと思います。
誰かや何かに配慮する部分がたくさんあると思うんですけれど、絵を描くのは完全に自分自身に向かっておこなうことなので、「自分自身に戻れる」ということが大きいです。
もし専念できるのであれば画家として専念するのだろうと思います。
デザインの仕事はよほどのポテンシャルやテクニックを持ったデザイナーでない限り私ではなくても他の人にも務まると感じますので。
ボナールなんかはありふれた日常描いていますが、彼の目から見たらありふれた日常ではなくて、美しい生活を切り取って描いているんだろうなぁと感じて、画家の目は素晴らしいなと思います。
使用されている画材について教えてください。
機能面ではアクリルの方が断然使いやすい、渇きも早いですし重ね塗りもできますし。
油は、渇きが遅い分、キャンバスで混ざり合うんですね。
その反面いろんな色のニュアンスが出せます。私は基本女性を描くことが多いので肌の質感などにこだわっていて、油絵具はそういう表現がしやすいなぁと感じています。
まだ使い始めて1、 2年ほどですがもっと研究したいなぁ付き合い続けたいなと思っています。
油絵具を始めたきっかけは、ギャラリーのオーナーが勧めてくださって「アディスさん、油やってみたら。あなたのやりたい世界観、しっとりとした女性の美しさを出せるかもしれないよ」と言われてです。
始めてからは思ってたより自分に合っていると感じました。
特に油独特の艶が好きです。まだ勉強足りないんですけれどもすごく楽しいです。
渇きが遅いのでそれがいいんですけど、アクリルのように速乾でさっさと進めることができないので、制作の進め方としては4枚位を同時進行で進めています。
自分には合っている描き方だなと思います。
1つのものに集中すると言うよりざっと描いてまた違うのに移ってすすめる、私に合った方法だなぁと感じています。
油絵でどのような表現をめざされているのでしょうか。
油絵の具ではそれができると感じています。人物の深みや、心地よさをもっと油絵の具なら色で表現できると思うのでもっと突き詰めたいです。
以前にルドンを拝見して「かちっ」と描かないですよね、それなのにすごく奥行きがあってああいう奥行きが理想です。
ボナールも「もやっ」としてるけれども深いじんわりした物を感じる。それを表現できるのって素晴らしいなぁと思います。ボナールなんかはありふれた日常描いていますが、彼の目から見たらありふれた日常ではなくて、美しい生活を切り取って描いているんだろうなぁと感じて、画家の目は素晴らしいなと思います。
光を特徴としているものに確かに惹かれるところはあると思います。暗い影も好きなんですよ。暗い絵やミステリアスは絵も好きですけれども、昔は描いてましたし。
基本は幸福に彩られたような静かな絵を描きたいなぁと思っています。
ミステリアスなものを描いている方はたくさんいるので私はそこを目指さなくてもいいかなぁと思います。他の方とかぶる事が無いようにしたいので。
何かをつかみかけてる気はしますけれどまだ確信を持てるまでは到達していないなぁと思います。
構図のこだわりを教えてください
西洋の古典的な絵画はすごく奥行きがあってそこが良いのですが、立体感と言うより色で深さを出せるようなそういう構図にしたいと思って今の作風になってきました。
究極の目的は色で奥行きを表現することです。
現代の作品よりも、古典的なものに惹かれます
影響を受けた画家や尊敬する方はおられますか?
ボナールが一貫して平和で豊かな世界を描き続けていたのですごいなと思います。
同時代にピカソなどがいる中で、全く違う世界観で。
ピカソとかは、あらゆる規制概念を壊して新しい絵を描く人なので、そういう人からするとボナールこいつ何やってんねんみたいな風に映ると思うんですけ笑。
あの人の絵を見ていると五感が満たされるというか、ただ単に幸福の世界を描いていたわけではないんじゃないかなと思います。もっとすごく幸福だけれど深さを感じさせる作家さんだなぁと。そーゆー世界観を描けたらなと思います。
それでいてとてもシンプルで、あまり入れ込みすぎないというか。
お風呂の絵とか好きですね、あと風景画も好きです。マティスの金魚も好きです。
そぎおとして喜びに満ちた感じがすごく好きです。
ボナールだけは昔からずっと好きですね。学生の時とかは奈良美智さんに憧れてました。
ちょうど学生時代にすごい活躍をされていた方なので。もちろん今も好きですけれど。
ボナールはほんとずっと好きです。
現代の作品よりも、古典的なものに惹かれますね。晩年になればなるほど、どんどん天国のような絵になってゆくところもたまらないです。
癒やしの場に飾っていただきたい、夢は美術館。
今後の展開や、描いているビジョンや夢をおきかせください!
リラクゼーションの空間で私の絵が飾られていると嬉しいです。癒しの場に飾っていただいたり、大きい夢ですが美術館などの広い空間で自分の絵を展示してみたいです。
見てくれた方に何を伝えたいですか
仕事をするのは大切なんですけど、息抜きをしてあるがままであることをも必要だよと言うことを伝えたいです。
さいごに
あるがまま、自分に戻るために画家でありつづけるアディスさん。ぜひとも彼女の絵をごらんください。
今後の活躍にも乞うご期待ください!
「NANIWA Girlie 5人展」
最終日3/2(土)在廊の予定です。ぜひお越しください!
Profile アディス
兵庫県西宮市に生まれる
1999 夙川学院高等学校美術科卒業
2001 京都嵯峨芸術大学 短期大学部 専攻科 ビジュアルデザイン2コース卒業
2003 京都嵯峨芸術大学 短期大学部 専攻科 表現デザインコース(学士課程)卒業
2004 京都嵯峨芸術大学 附属芸術文化研究所 研究科修了
コツコツと制作活動をしております。これからも活動内容を
ARDYCE BLOG・ARDYCE Twitter・FACEBOOK
などでアップしていきますのでよろしくお願いします。
ARDYCE [アディス] official site http://ardyceart.com/ardycewebsite/Welcome.html
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