Artist Voice Vol.5
生き方の開放、多様性、「普通」に縛られないことを大事にしたいです。
高畑愛花
パーティでの楽しい時間、
そのなかで起こるちょっとしたいざこざ、
全部を含めて家に帰ったあとあの日を思い出して元気になるような。
私の世界観は「IN A PARTY MOOD」
大学を卒業し、イラストレーターとして精力的に活動されている高畑愛花さん。
求められるアーティストとして活躍するため毎日アグレッシブに描き続けています。
高畑愛花、絵描きのルーツ
『漫画や絵をかけるとクラスで人気者になれるので、あとモテると言うのも大きかったですね』
イラストレーターになろうと思ったきっかけは?
小学生の頃はよく留守番していました。そのときに熱心に漫画を読んでいましたが、自分でも描きたくなってきて、キャラクターや背景を真似して描いていたのが始まりです。それから将来は漫画を描きたいとぼんやり思っていました。友達と漫画を描いてお互いに見せ合ったり絵の交換ノートをしたりもきっかけの1つです。
特に「NARUTO」などの少年漫画と矢沢あいさんが大好きです。
漫画や絵をかけるとクラスで人気者になれるので、あとモテると言うのも大きかったですね(笑)
好きな男の子と話したくって絵を描くのをきっかけとして話すためにがんばって描いていました。
みんなに注目されたいと言うのがあったのかなあと思います。
ただ、漫画を描くにあたって描きたい絵やシーンが1つだけあって、そのためにストーリーを作る、描きたくないコマもある、というのが難しく感じました。
そのときに1枚の絵を完成させるほうが楽しいなと思いました。
進路などの岐路で「絵」に対していかがでしたか?
私は絵を描いたほうが絶対良いと思い芸術大学を受験しました。
それからは描くこと以外はすることがなかった、したいことがなかったのでその世界に住もうと思いました。
高校は進学校だったのですが、芸術に力を入れていて、アトリエも学校の近くにあり卒業生も芸大に行っている人が多かったです。環境も整っていましたのですごく恵まれていたと思います。
ファッション系に進んだ同級生と連絡をとっては大阪で素材や画材を見たりと楽しんでいました。
芸術大学に進学してからのことを教えてください。
洗練された人ばかりだったので自分が野暮ったかったのが辛かったです。
特に仲の良かった同級生はすごい子ばかりで比べては落ち込むということが多く
コンプレックスを強く感じていました。
今となれば田舎の純朴さと絵のギャップが自分の強みだったらいいな〜なんて思います。
そこでもしかしたら頑張っても勝てないと考えた時にとにかく自分のできること、
モチーフを面白くしたり、コンセプトを変えたり、
考え方を変えたりと描くことへの向き合い方が変わりました。
例えばウサギモチーフなら、ウサギを描かずに、周りからウサギを表現するようにしたりとか、コンセプトを練るような、そういう表現を心がけていました。
今は自分がイラストレーターと言うことに自信を持てています。
去年のアワードあたりからですけど自分は作家である、と。
「少し間抜けな要素」も入れて
愛着を持ってもらえる作品を作っています。
制作で大切にしてること、作風にかんしてお聞かせください。
直接的な表現の作品を作っていたんですが、見る方からしたらどうなんだろうと思って、自分が見る立場なら苦しい、嫌な気持ちになるんじゃないかと思った時があって。ちょうど社会人になったときに描き方が変わったと思います。
きっかけは、自分が実際に別の方の作品を見たとき「つまらない」と思ったことです。
その時に、もしかしたら自分の作品もそんな感じかなと感じてしまってそこからです。
絵を描かなければいけない環境から離れてその時からちゃんと時間をとって絵に向き合おうと思って進めています。
卒業後は絵に関わる仕事はしていたんですけれど、描く時間が本当になくって、
最初は時間作ってやるつもりがやはり無理だと気づき、思い切って結婚を機に仕事をやめました。
制作のコンセプトにをお聞かせください。
「何故これがここにある」とか「変な服着てる」とか楽しいだけじゃなく、「少し間抜けな要素」も入れて愛着を持ってもらえる作品を作っています。
「ちょっとおバカなポーズをする」とか。
隙を作ることが大事かなと思います。
作品があまり暗くならないように、暗くなってもいいんですけれど。
愛すべき作品になればいいなと思っています。
私の絵に関しては、映画をみているような感じです。
これからどう展開するのか、ストーリー性を持たせたい、ちょっと笑える要素がある、タランティーノの映画のようなイメージです。
くすっと笑える要素があったほうが身近に感じられます。
ありがちな言葉なら「真面目にボケる」的なことです。
見る方を楽しませる、人をドキドキさせる絵を描きたいので最近はエンターテイメント性を心がけています。
絵はもちろん好きなのですが、実はパーティや飲み会もそれ以上に大好きなんです。
じゃあ、描くことも同じくらい楽しまないと!と思っています。
コンセプトは「IN A PARTY MOOD」
「浮かれ気分」記憶の一部として、あの日の気怠さも楽しみたい。
制作で大切にしてること、作風にかんしてお聞かせください。
世界観などはあるのでしょうか?
展示の場合は、パーティ会場に入るイメージで来ていただきたいです。
パーティでの楽しい時間、そのなかで起こるちょっとしたいざこざや切ないお別れの時間、全部を含めて家に帰ったあとあの日を思い出して良い気分になるような。
なので「IN A PARTY MOOD」をコンセプトにしています。
訳は「浮かれ気分」記憶の一部として、あの日の気怠さも楽しみたいですね。
天国とまではいかないけれど、浮かれ気分になるような色を心がけています。
金曜日の仕事が終わる直前の色です。
2019年12月に発表した「MOTEL」もパーティ会場の一部という設定です。
現実に週2回くらいパーティがあればもっと頑張れるのにな、と思います(笑)
絵を描く上で大切にしていることは「開放感」です。
夏に外国人ばかりのパーティに参加した経験があります。
私はワンピースにタイツという暑苦しい格好だったのですが、みんな暑いから当たり前のようにほぼ裸で、私の服装が場違いで恥ずかしくなりました。
最後は私もほぼ裸で、そのパーティでの飾らないドレスコードに開放感を味わいお互いの距離感も丁度よく気持ちよかったです。仲の良い人の集まりなどではそうありたいです。
モチーフについて、よくアニマル柄が登場しますね。
子供なのに豹柄のパツパツのズボンをはいたり、
小物なんかも全て豹柄で、結局センスがなくなっちゃうんですけど、
大人になった今はバランスの取り方も研究しています。
ゼブラ柄も好きです。
ピンクの豹柄はちょっと違うかなぁ。絵のモチーフとしては好きですけど、あまり明るい豹柄は好きじゃないです。ジャガー柄も好きです。動物たちはおしゃれな柄があってうらやましいですね。
地味で現状への不満を抱えた主人公が、
私の描く女性と重なっていることがあります。
影響を受けた尊敬する人、映画などありますか?
好きな映画5本
「LEON」ははずせないです。
「ギルバート・グレイプ」
「the dreamers」
「カッコーの巣の上で」
「君の名前で僕を呼んで」
「ギルバート・グレイプ」これは何回も見て原作も読んだほうがいいです。
ヒューマンドラマが好きで、恋愛ものは苦手ですね。
映画監督はソフィア・コッポラが一番好きです。
見る度に、こんなの作りたかった〜と悔しい気持ちになります。
好きな本は「the girls」です。
実話を元にした映画的な作りになっている本でして、地味で現状への不満を抱えた
主人公が、私の描く女性と重なっていることがあります。
本も海外の本を読むことが多いですね。
作品に対してかわいいと言ったり褒めています。
使用している画材について教えてください。
アイスクリームっぽくて、一番エロティックに見える画材に感じます。
扱いやすいというのもあるのですが、上から重ねられるので間違えたら上から描けます。
なので思い切りよく大胆に描けるのも魅力です。
艶の表現をするのに凄く合ってると感じます。
今後チャレンジしたいのは油絵です。
シルクスクリーンも学生の時にしていたのでもう一度やりたいです。
あの面倒臭い作業がいいですよね、いちいち洗ってという。
やっぱり手間をかけて作るのが好きですね。
あとは作品に対してかわいいと言ったり褒めています。
やっぱりええわ〜かわいいわ〜〜、とか(笑)
今は時間があれば、描くか、寝るか、
家事をしているかですね。
現在の原動力はなんでしょうか?
将来子供ができて芸大に行きたいと言われた場合、快く行かせたいです。今は働いていますけれど、その時間もすべて絵につぎ込んで結果を出せたらなと思います。
今は時間があれば、描くか、寝るか、家事をしているかですね。
描くと自分を認める自信につながるので描いてるのが精神的にも良いです。
ライフスタイル、生き方の開放、多様性、
「普通はこうである」とか縛られないということを
大事にしたいです。
絵を通じて伝えたいことはなんでしょうか。
ですがそれを伝えることはとても難しいと感じています。
ライフスタイル、生き方の開放、多様性、
「普通はこうである」とか縛られないということを大事にしたいです。
普通を押し付けない、普通は無い、と言うことです。
またこの考え方も、人に押し付けたくはないです。
絵を描いているときはいつも人は一人だと言うことを思い出します。
常に一人だということを忘れないようにしています。
わたしを選んでいただけるならとても嬉しい、
何でもやる意気込みです!
今後のビジョンとしてこんな仕事をやりたい!20年後の私、などお聞かせください。
年収をしっかり稼ぐようなイメージで。
けれどいつまでも変わらず自分であり続けたいなと思います。
人目にふれるようなディスプレイやイラストのしごともしてゆきたいです。
百貨店のディスプレイと一緒にイラストを飾ってもらえるとか、装画もやりたいですね。
ほかにはインテリアに関わりたいです。直接に家具などに描くなども面白そうで。
すぐピンクになりそうですけれど(笑)
自分自身がピンクの部屋に住みたいという願望もあります。
子供部屋も豹柄にしてヒョウ柄の英才教育を受けさせたいです。
あとコンスタンスにグッズを販売なども考えています。
発表の場としては外国での個展もしたいです。パリとか。
具体的には経営コンサルを学んでいる友人からもアドバイスをいただいています。
作品の拡散方法などの相談にいつも親身になってくれるので頑張ろうと思えます。
これからの時代SNSも本格的に稼働させてゆかないとという思いです。
名刺ケースもおしゃれにしたりと小さなことから
自分のブランディングにも力を入れていて、その変化が嬉しいです。
仕事は、わたしを選んでいただけるならとても嬉しい、
何でもやるという意気込みです!
さいごに
見に来ていただいた方とたくさん話したいです。
1本映画を見たような気分に、ハッピーになれますように。
ぜひパーティに参加してください!
「NANIWA GILIE 5人展」
全日在廊の予定です。ぜひお越しください。
Profile 高畑愛花
京都造形芸術大学 卒業
すべての出来事はモーテルで起こっている
In a Party Mood
http://aika-takahata.tumblr.com
作品はこちらにまとめてあります。
ネットショップ始めました suzuri.jp/sayonara_aika
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